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ついに降り立ったＵＳＡ。

ついに降り立ったＵＳＡ。行きたいと思って１５年くらい経ったのかしら。一緒に旅立った仲間がMBっていうのもふざけてるけど、とにかく無事にケネディ空港に到着。長かった、長かったぜ、１３時間。

っていうか、ケネディ空港ってさ、ケネディのフルネームなのね。知らなかったぞ。だからJFKAirportと言うらしい。はぁ？ってなもんでしょ、知らなかったのってあたしくらいだと思われ。TEKって言えば、東京都江戸川区小岩っつーわけだ。わかれ。

で、到着して、空港内でまた審査。なんだか、照明が暗くないか？もっと華やいだイメージを持ってたんだけどなぁ。成田や羽田は超綺麗だ。久しぶりに歩くんで、体も頭もぼけぇ～っとしてるし、照明も雰囲気も暗いから、なんだか明るい旅行のスタート地点って感じはしなかった。

MBは前日、不眠で臨んだフライトなはずなのに、二時間も寝られなかったらしい。Jtelag（時差ぼけ）は確定気味。

フライト中のMBのコメントでおもしろかった発言：
「まだ１０時間もある」
「箱根ならもう着いてる」
「箱根ならもう酒飲んでる」

なぜか、箱根にこだわってたな。

あたしら三人は、バックバッカーさながらな（多少のお土産袋はあるにしても）リュック一個という手荷物で乗り込んだため、荷物を待つって時間は短縮。せっかちなMBらしく、「だからリュックがいいんだよ」と自慢げだ。

審査ゲートを抜けて、まずは一服したいな、そう思ってると、

「Yコ～～、Yコ～～～」（英語調）

と呼ぶ声がする。あれ？もう迎えか？　人ごみの中から、金髪のおねーちゃん登場。映画のシーンでよく見かけるな、Y子とそのおねーちゃんがハグハグ。彼女はこれから宿泊する家の娘、タラ。外見はポッチャリした感じ。凝視してると、MBと挨拶して、あわわ、あたしもかよ。

Hi～～！

と言ったか、言わなかったか、それくらいの感じで、あたしもハグされる。っていうか、されるがまま（笑）日本のおねーちゃん達に触られるのなんてな、びくともしないのにさ。なんだ、この変な緊張は。と、とりあえず一服させてくれ。

最初が肝心だ、って言ってもさ、会話出来ないし、人見知りなんてしないけど、ここは様子を見ようじゃないか。どんなんだ、こいつは、みたいな。

空港の玄関から外に出る。やっぱり全然景色はどこか殺風景。周りは外人だらけだから、日本って感じはもちろんしないんだけどさ。っていうか、あたしらが外人だよな。

タバコを吸おうと灰皿の前まで行ったんだけど、Y子が「車でも吸えるから」と、すぐに迎えの車の方へ。迎えの車の運転席に外人が…　ジョージ。タラの親戚らしい。彼の運転でタラの家まで行くんだとさ。ここでも挨拶を交わすんだけど、何言っていいかわかんないから、とりあえずナイストミーチュー。

どうも、ナイストミーチュー

「どうも」「あ」「えっと」が必ず付く。会話するのに、必ず考えるからさぁ、脳内で１２年くらい使ってない英語翻訳機作動。外人からすると、

「こいつ、何言ってんだよ」

みたいなもんなんだろうな。あたしもバイト先の中国人と会話するとき、中国語が混ざった日本語を聞くと

お前、何言ってんだよ

って言っちゃうもん。それを思うと、恥ずかしいもんで。

車は普通の乗用車で、ジョージ（左：運転席）タラ（右；助手席）、後部座席にあたしら三人。Y子を挟むように座った。車内じゃ、読み取れない英語トークが延々と続く。あたし？あたしも参加したかったんだけどね、無理だろ（ｗ）

で、景色を見てるだけでもおもしろいっていうか、ただぼけぇ～～っと表を見てる。隣を見ると、MBもずぅ～～っと表を見てる。たまにあたしに言う事は、

「（タラがずっとしゃべっているので）な、すごいだろ。これがずっとだよ」
あはは、大丈夫だよ
「テンションの波が襲ってくるんだから…」

すっかりアメリカ人になっちゃったY子。あたしとMBは、そのY子があたしらにちょくちょく解説してくれる会話に参加したり、外見たりの繰り返し。

Y子：
「日本でポピュラーな奴は誰？だって」
えぇ？！　ん～～、ん～～～、誰だろう。

英語に耳を傾けて、単語を拾うので一杯一杯なのに、そんな質問されちゃって、普段なら絶対に即答出来る分野じゃないか。でも、全然誰も思い浮かばない。

すると、ラジオから聞いた事のある曲が流れた。

ディスソング　ネリー？

「あ”？」

って聞こえたんだけど、ジョージ（ω）タラもあたしの面を見てる…　なんだよ、発言しちゃ悪いのかよ（笑）

（カーステを指指して）ネリー？ネリー？

負けじと「これはネリーだろ？ネリーなんだよな？」みたいな気持ちを込めて発言してみた。ジョージは、「あぁ～～ぁ」みたいな反応をしてくれた。アイシー、アイシーって感じか。で、ジョージがポチポチとカーステをいじって、ネリーのアルバム「Suit」から（日本でも大ヒット中の）「My Place」をかけてくれた。なんとなくだけど、思いは通じたみたいだ、えへへ。

ネリーの最新アルバム、日本で発売されているアルバムは２枚組。アメリカでは「Sweat」と「Suit」の二枚同時発売で、ラッパー史上初の二枚同時発売ってニュースなアルバム、かつホットなナンバー満載なのだ。知ってて良かったなぁ、と自画自賛したよ。（日本で販売されている「Sweat」と「Suit」には、二枚とも彼の過去の作品のリミックスが収録されている）タラの反応も上々で、「オウ、ネリー！」みたいなもんさ。

ハロー、サンキュー、ナイストゥミーチュー、この単語以外で初絡み。ネリー、サンキューね（ω）

MBはY子がすっかり外人になってしまい、いつも面倒を見てもらっているからなのか

「こうなると、さみしい」

と漏らした。英語もわかんないし、タラはハイテンションだし、すっかり気持ちが折れてしまったのね。最初はがんばろうと思ってたらしいんだけど。まぁ、焦らずに行こうよ。あたしも耳から入ってくる、耳慣れない言葉達を追っかけるので精一杯。

アメリカの道路事情はさっぱりだけど、とにかく皆さん、運転が荒すぎ。ケネディ空港から宿泊先のニュージャージーまで、高速道路のような物を走っていたんだけど、周りは飛ばす、飛ばす。こっちじゃ運転したくないね、本当に。MB曰く「みんな、運転がエグい」。うん、納得。車線変更はガンガンするし、車間も近すぎ。車の運転に慣れているMBでさえ、「こっちじゃ運転したくない」と言っていた。日本で運転の上手下手を判断するとき、「乗り心地」を言う人がいると思うんだけど、こっちじゃ乗り心地重視よりも「思い切りの良さ」が求められると思う。ガンガン割り込んでいかないと駄目なんだもん、運転が荒くなっても仕方ないっていうかさ。よく考えてみると、向こうの道路は外国そのものだ。主張してんの、車の運転でも。乗り切れない奴は、隅を走れ！みたいなさ。

ジョージの車のバックミラーの上部にデジタル時計みたいな物があり、その数字が少しずつ減っている。車の計器の類は全くわからないので、気にならなかったんだけどさ。それを見て、タラとジョージがブツブツ会話をしている。タラなんて、一人でキャッキャ盛り上がっちゃったりしてさ。

タラが指を刺すデジタルの数字が「０」。会話の雰囲気からして、何か問題がありそうなんだなぁ。車に関する事で数字が減っていくって事は、つまり燃料だろ？（ω）

Y子
「ガソリンがないらしいよ（笑）」
あははは。やっぱり？タラ、ずっと笑ってんだもん、数字が減っていくしさぁ

だはは、やっぱり、MBさんが乗るとこうなるんですかねぇ、どうですか？MBさん。ちみからすると、「ガソリンくらい入れてこいよ」って思ったでしょ？　Y子さんからすると、ジョージもタラも、すっとぼけてるから「らしい」ってなるらしいんだけどさ。

「ガスステーション、オバーヒア？」

高速を降りて、燃料補給に向かうあたしらの車。タラが助手席から、民家の前にたむろする人達に話しかけてる。しかも、走りながら。すると、その民家の前にいる人々も、「あっち、あっち」みたいなジェスチャーを返してくる。おぉ、なんか、アメリカっぽい（勘違い？）

で、なんとか無事にガソリンスタンドに到着。良かったね、押さないで済んで。思わぬハプニングで、笑った。別に止まっちゃっても良かったんだよね、思い出が一個増えるだろ。見た感じ、車社会のようだし、きっとガソリンスタンドは沢山あるんだろうなって思いもあったんだよね。タラがこの状況に、笑っているからってのもあったんだと思うけど。

ガソリンを入れている間、水を買いに行ったりしているみんなを他所に、外からアメリカンな町並みを拝見してみた。そのガソリンスタンドに停車してる、まさにアメリカだっつー大きい車を見てたら、中からプライドで見るような「ん？ファイターか？」と思える男が降りてきて、こっちに向かってくる。あたしを見るな、あたしは見たが、もう行くから（笑）そんな体と面で、あたしを見るなっつーの。

話かけられたら、どうしよう。緊張してると、出発になった。あんなのばっかりがいる場所には行きたくない、これが正直な感想。後からそんな場所に行く事になるんだけど…

正味２時間くらいのドライブだったかな？ついに宿泊先に到着。現れたのは、その家の亭主　デイブさん。

ま、間違えた

これがデイブさん。ちなみに隣のモザイクはあたしね。最後の日の写真なんで、仲良さげに見えると思うけど、デイブさん、デイブは最初っからこんな感じだったんだわ。ハイテンション娘、タラの親父って感じ。つまり、彼を中心に起こるテンションの波が、いよいよあたしらを巻き込んでいくって事なんだ。

あたしの本名を知ってる方でも容易に理解できる事じゃないと思うけど、あたしはデイブから「カメレオン」っていうニックネームをもらった。MBは以前、「コジャック」というあだ名をもらったらしく、今回、あたしがどんなニックネームをつけられるのか、Y子とMBの中では注目していた事だったみたい。まさか「カメレオン」となるとは想像もしてなかったんだとさ。自己紹介を終えて、いきなりそのニックネームが飛び出したからさ、MBなんかは大笑いしてたけど、あたしは「カメレオンみたいにいろいろ環境に合わせてカラーを変える男」という、妄想し始めたりして。

デイブ宅はでかい。っていうか、その近所もでかい。中に入ると、奥さんのテレサ（ツェリサ）さん、親戚で一緒に住んでいるらしいパトリック（パチョリック）、その妹のネリサ（ネッサ）がいた。今じゃ名前と顔も判別出来るけどさ、一気に家族紹介されてもわかるかっつーの。まず、この家族と一週間暮らせるのか、結構不安もあったんだけどね、どんな事が起こるんだろうっていう期待の方がまだ強かったかな。期待してんだけど、まだ何も出来ないっていうかさ。奥さんのテレサはY子との再会を喜んでいるのか、ぶわぁ～～～って英語トークしてるから、あたしら、座っても落ち着かないし、つったってても妙だし。最初は大変心労が絶えなかった。

何、食べたい？

って聞かれてもねぇ～、何があるんだよって感じで。ステーキ？　それは後でも食べれるらしい。ピザ？イエス、イエス、それでいいんじゃないでしょぉ～か。辛いやつ、なんだっけ？そうそう、パラペーニョをトッピングで。

あぁ、そういえば、到着して家の中に入ると、巨大な液晶テレビが壁についていて、（推定だと４０インチくらいの）テレビでヤンキースの試合が放送されてた。デイブはニューヨーク生まれ。生まれながらにしてヤンキースファンらしい。試合を観戦して騒いでるかと思えば、あたしらに

何、食べたい？

って聞くんだもん。試合を一緒に見ればいいのか、なんなんだか、落ち着かないなぁ、デイブはもぉ（笑）

続く。